イベント参加報告

2017学会・研究会・セミナー参加報告

2017.02.09

第8回ADCT研究会参加報告

2017年1月21日(土)愛知県一宮市尾張一宮駅前ビルシビックホールにて開催された第8回ADCT研究会に参加した。


2016画論表彰者講演では、「下腿の穿通枝動脈描出を目的とするニトログリセリン舌下スプレーを用いたCTA」と題し平塚市民病院の藤代先生が講演した。手術に際し可能な限り細かい血管の描出を目的にニトログリセリン舌下スプレーを使用した撮影法の報告だったが詳細な血管の描出に驚いた。また、「右環指MIP関節部AVM」は聖マリアンナ医科大学 倉持先生が講演されAquilion ONEの撮影範囲を斜めに使うことで病変を描出しており撮影時の工夫を感じた。双方の講演とも今後の標準的な撮影法になりうる優れた着眼点と画像の臨床的な価値が認められての受賞であり日頃よりの研鑽に拍手を送りたい。


一般講演では、方向性電流変調機構(OEM)や4DCT時にPhyziodynamicsによる画像補完を行い線量を下げたときのノイズ対策、小児CT撮影における逐次近似再構成法FIRSTの使用法などの被ばく低減技術、ボリュームNAVIによるCT下穿刺ナビゲーションによる穿刺時の安全性の向上、Aquilion ONE GENESIS Editionの使用経験と4演題がおこなわれた。それぞれの演題とも被ばく低減、安全性の向上を診断画像の質を落とさずに行っており最新のアプリケーションの有効活用が示されていた。


特別企画として、「The revolution」と題しGEのADCT Revolution CTの紹介がされました。Aquilion ONEと同じ16cmの撮影エリアを持つCTとして普及しているが、それぞれのメーカーによるADCTの特徴が理解できとても面白い企画であった。


特別講演は、「最新CTによる循環器領域診断」について、藤田保健衛生大学循環器内科 元山貞子先生による講義が行われた。急性冠症候群の病態の解説と心臓CTの特性、特に心臓CT は陰性的中率が高く除外診断に有効であるという点、胸痛の非責任病変評価とくにプラーク性状の評価による将来的なイベント予測や治療効果判定が可能である点を丁寧に解説されていた。また、最新技術としては、東芝ワークステーション Vitrea に搭載されたCT-FFRの有用性、高精細CTにおけるステント内血栓の評価など、近い将来に臨床に取り入れられ普及する技術について循環器内科の視点からの知見を話されており、我々にとって貴重な講演となった。


情報交換会では、ご当地ゆるキャラも登場し大いに盛り上がった。次回は、大阪で開催される予定である。



山梨大 相川

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