イベント参加報告

2017学会・研究会・セミナー参加報告

2017.05.19

JRC2017参加報告

2017年4月13日から16日の4日間にわたって開催されたJRC2017に参加いたしました。全日参加は叶いませんでしたが、私自身が感じたことを述べさせていただきます。


何かテーマを持ってJRCに参加することを意識していますが、今年は逐次近似関係とDual Energy・金属アーチファクト評価低減を中心に勉強させて頂きました。


逐次近似関係では教育講演およびワークショップが開催されており、研究から臨床応用まで勉強することができる貴重な時間になりました。その中で、逐次近似応用再構成の適応と最適化を各領域においてどのように行っていくかの議論がありました。当院でも新しいCT装置が導入され、今まで搭載されていなかった逐次近似応用再構成法を新しく臨床導入するために、物理的指標を用いた評価と視覚的評価を中心に検討しましたが、思うように線量低減との両立ができず、大変苦慮しました。このような事例を解決するにあたり、本ワークショップにおける各領域の先生方のディスカッションから、従来からの「検査プロトコール構築の基本」を変えることがひとつの解決策である可能性を強く感じました。当院では主に検査部位に合わせた検査プロトコールを作成していますが、IRも含めた最適化を目指すべく、検査目的と患者背景も合わせた再構築・細分化することを検討したいと思います。


Dual Energy関連では、基礎研究と臨床評価の検討を拝聴し、自施設の臨床導入に向けての評価法を考えている中で大変参考になりました、また、金属アーチファクト評価低減のセッションにおいて、金属アーチファクト低減処理とサブトラクションを組み合わせることによって、線量を抑えながらその効果の恩恵を受けることができる可能性が示唆されたとのことで、様々な制約がある中、その創意工夫の努力に感銘を受けました。


ITEM2017では、CT関係で目を引いたのはやはり超高精細CTで、ディスプレイに表示された実際の臨床画像は、間近でみるとその「超高精細」の進化を感じることができました。頭部領域では、頭蓋内の微細血管や頭蓋底内を走行する血管と骨の関係、心臓では冠動脈内に留置されたステント内腔の精細な描出が印象的でした。ネットワーク、PACS系も含めて、この次世代CTの環境整備がもうひとつのテーマになるとのことで、このあたりの動向についても注目したいと思いました。


 


最後になりますが、本学会では毎年多くの発見と勉強する機会をいただいております。大会関係者の方々に厚く御礼を申し上げ、私からの参加報告とさせていただきます。


聖マリアンナ医科大学病院


画像センター


小川泰良

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