イベント参加報告

2017学会・研究会・セミナー参加報告

2017.08.17

スキルアップセミナー in Tokyo 参加報告

2017年7月24日、立川会場にてスキルアップセミナー in Tokyoが開催されました。


オープニングセッションの「最新情報提供」では、東芝メディカルシステムズより「Aquilionに搭載できる最先端技術」と「Aquilion Precisionの紹介」ということでお話いただきました。Aquilion ONE GENESIS に搭載可能及び搭載されている最新技術の紹介やAquilion Prime SPの説明など様々なハード面の紹介を行っていただき、その後FIRSTやSEMAR、Cardio CT-FFRなどソフト面の紹介などをしていただきました。Aquilion Precisionの紹介では、X線検出器を体軸方向に従来の1/2のサイズにし、面内方向に従来の2倍の素子を配置したこと、X線管装置に極小焦点を用いたことで従来のCT装置と比べ面内・体軸方向にそれぞれ2倍の空間分解能を有する装置であることをお聞きし、普段の業務において64列CTを使用している私からすると、あまりにも空間分解能が高い画像に驚きました。しかし、Aquilion ONEのように1Volumeで心臓をカバーできないことから、今後も今回のようなヘリカルスキャンを前提とした心臓CTのスキルアップセミナーの必要性を強く感じることができました。そして、Aquilion ONEのエリアディテクターとAquilion Precisionの高分解能がフュージョンしたような装置が開発されれば、「広く」「速く」「細かく」が1台で行えてしまう。そんな遠くない将来の実現が期待できる内容でした。


 続いて「心臓CTの基礎」のセッションにおいても東芝メディカルシステムズより、心電図の基礎として、心電図とは何か・電極を貼る位置・心電図波形の読み方・心臓CT撮影においての最適心位相検索の目安について説明をしていただきました。また、「時間分解能」と題しデータ収集の原理や再構成の種類とその違いを実際の画像を用いて説明をしていただきました。時間分解能とFOVや心拍数の関係をわかりやすく説明していただき、更に心電同期スキャン・心電同期ハーフ再構成・心電同期セグメント再構成の解説に関連し、心拍数と時間分解能の関係を具体的にいくつかの心拍数での説明をしていただき実臨床に近い形でとても分かり易く教えていただきました。さらに、心電同期アプリケーションについては、ハートナビを始めとしてそれぞれの曝射モードやPhase-NAVIのシステムや使い方を説明していただきました。その後、「心臓CT検査フロー」と題して前処置・ポジショニングから実際の撮影手技・最適心位相の決定までコンソール画面の画像を見ながら説明していただきました。今回参加者の中には、心臓CTの撮影を行ったことのない方や撮影するようになって間もない方が多かったのではないかと思いますが、このスキルアップセミナーを受けたことで心臓CTはどのようなことに気をつけて検査を行えばいいのか、より良い検査を行うためにはどのような知識が必要なのか、職場では教わることのできない様なことから明日すぐに臨床応用できる様な知識まで丁寧にお話いただき、もう新人とは言えない私にとってもとても勉強になりました。


最後のセッションとなる「よくある質問Q&A」では、事前に受け付けていた参加者からの質問に東芝メディカルシステムズのアプリケーションから回答いただき、会場アドバイザーとして木暮陽介先生にも貴重なご意見を頂戴することができました。多くの方が、実際に出会ったことのある症例や抱いたことがあると思われる疑問に丁寧に解説していただきました。質問を前もって投稿しておく必要があることを知らずにいた私でしたが、抱いていた疑問と同様の質問が投稿されており、自らが疑問に思う部分は他の方も疑問に思っているのだなと思いつつ、疑問も晴れ学ぶことの多いセッションとなりました。また、木暮先生の経験も含めたご意見と考えを垣間見ることができ、とても貴重な経験となりました。

次回のユーザー会への期待がより大きくなるような内容で今後の参加が楽しみになりました。これからもユーザー会を少しでも盛り上げられるように、積極的な参加を目指して頑張っていきたいと思います。


 


 


順天堂大学医学部附属練馬病院


青木 卓磨

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