イベント参加報告

2017学会・研究会・セミナー参加報告

2017.11.15

第45回日本放射線技術学会秋季学術大会 参加報告

2017年10月19日(木)から21日(土)まで広島県の国際会議場にて第45回日本放射線技術学会秋季学術大会が開催されましたので、その参加報告をさせて頂きます。


学会の開催期間中に、プロ野球のセリーグのクライマックスシリーズと重なったことにより、広島の街は広島カープのチームカラーである赤一色に染められ、広島ファンの熱い情熱に感動しながら広島入りをしました。

今回の私の任務は、2日目のポスター発表と3日目の座長でした。初日に無事に発表用のポスターを貼り終えると、ポスター会場の入り口に大きなモニターを発見しました。これは、今回の秋季学会で新しく導入された“ディジタルポスター”の閲覧用モニターです。4月に開催されるJRCで導入されているCyposと同様のシステムですが、発表者が事前に発表データを提出することにより、学会期間中にパソコンやタブレット端末、そして携帯電話からもディジタルポスターの閲覧が可能となります。会場前に設置されたモニターでは、画面をタブレット感覚で画面をスワイプやタップすることにより、前後のスライドを送ったり、画面の拡大が可能であり、非常に使いやすく画期的なシステムでした。今回は、初めての試みということで数台しか設置されていませんでしたが、今後はこのような形式が主流となり「モニターを使ってプレゼンテーション」といったことも十分可能になるのではないかと感じました。

2日目。自分の発表を無事に終え、天気も良かったため、空いた時間を利用して観光に行くことにしました。平和記念公園 → 原爆ドーム → (路面電車) → 宮島・厳島神社、というまるで修学旅行生のような行動をしました。広島の街は、皆さんご存知のように「平和の街」です。今回の学会では、「医療安全を科学する」というテーマでありましたが、“医療安全”と“平和”も根幹は相通じるものであると感じ、改めて広島で開催される学会の意味と重要性を感じました。


学会3日目。今年一番の勢力の台風が接近し、帰宅の途が心配となり、学会の参加人数も少なくなるかと思っていましたが、CTのセッション会場の聴衆は、他のどの会場よりも多く、最終日にも関わらず部屋の前には中には入れない人で溢れていました。


東芝メディカルシステムズが2017年4月より販売開始した超高精細CTに関する発表もいくつか見られました。導入される施設が増加する中、臨床的な有用性を検討した報告も様々な施設でされるようになりました。今回、私が気になったのは、超高精細CTを用いた頭部CTAにおける描出能の検討(285. 超高精細CTを用いた脳動脈血管描出能の検討)であり、超高精細CTと面検出器CTの間で比較をしていました。超高精細CTは、特にレンズ核線条体動脈などの頭蓋内穿通枝や脳腫瘍周囲の細血管の描出能に優れており、放射線科医や脳神経外科医より高い評価を受けているとのことでした。改めて超高精細CTのポテンシャルの高さを実感し、いつか自分も使用することができる日が来ることを楽しみとなりました。


そして、アミン株式会社 / ザイオソフト株式会社のランチョンセミナーには、当首都圏東芝CTユーザー会の世話人である、我らが小川泰良先生による「Ziostation2の新しい画像認識技術「RealiZe」〜CT領域」というテーマで講演がありました。小川先生が勤務する聖マリアンナ医科大学病院で使用しているZiostationの臨床的な有用性、特に肺動静脈分離、脳動静脈分離、腎臓抽出、整形外科領域での骨抽出について、豊富な臨床画像をもとにとても分かりやすく講演をしていただきました。これらのアプリケーションの使用は、我々診療放射線技師のワークフローを改善させ、作業時間を短縮させます。そして、その短縮した時間は解析画像の確認や修正に費やすことができ、結果的に医療安全にも寄与できると説明してくださったことがとても印象的でした。


来年の秋季学術大会は、仙台で開催です。学会テーマは、「震災から7年 復興と放射線技術学」に決定しました。“平和”から“復興”へ。ぜひ皆さんも杜の都仙台の息吹を感じるために10月の仙台を訪れてみてはいかがでしょうか?



国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 放射線部


川内 覚

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