イベント参加報告

2018学会・研究会・セミナー参加報告

2018.04.06

スキルアップセミナー in 神奈川 参加報告

2018年2月22日、AP横浜にて「首都圏キヤノンCTユーザー会スキルアップセミナーin神奈川」が開催され参加させていただきましたのでその報告をさせていただきます。

まず「最新情報」では、2017年RNSAで展示されたAquilion Precision CTの紹介がありました。本装置は、面内・体軸方向それぞれに対して2倍の空間分解能を得ることができる超高精細CTで、検出器素子が従来の1/2となっているだけでは無く、その他にもX線焦点サイズを6段階に変えることが出来、従来の1/2以下の小焦点を使用できる最新のCT用X線管球や、より解像度を向上させるための2段階にスライドする寝台、超高精細CTになったことにより増加した画像マトリックス数に於いても従来と同様の速度で再構成を行うことができる再構成ユニットなど、MDCTが普及し検出器の多列化が当たり前になった今日ですが、まだまだCT装置は進化し続けていくのだと感じました。その他、血管装置とCT装置のハイブリッド装置である2Room対応Angio CTでは、CT装置とAngio装置をそれぞれ単独でも使用でき、Angio-CT装置の課題であるCT装置の稼動率減少を解消する画期的なシステムであり、有用なシステムであると感じました。今後は、最新技術だけではなくこのような画期的なアイディアが生かされたシステムの登場にも期待したいと思います。


次に「心臓CTの基礎」では、64列および80列のヘリカル撮影をメインとした内容で「心電図の基礎・時間分解能・心電図同期撮影法・検査フロー」にわけてご講演していただきました。心臓CTの撮影において必要不可欠である心電図の知識は、波形と合わせて心臓の動きを説明いただき、心電図波形から実際に心臓がどのように動いているのかを理解し、再構成法や撮影条件、心拍数と時間分解能の関係から最適な撮影条件を選択する事が、resonance caseの防止やしっかりと止まった画像再構成に繋がる。といったお話で実際の臨床において有用な内容でした。また、新旧それぞれのバージョンの心電図同期アプリケーションを用いた検査フローの説明により、心臓CTが不慣れな技師でも、今後は容易に検査を遂行出来る様になれたのではないかと思います。

続いて、「よくある質問」では、アドバイザーの小川泰良先生と藤代渉先生を交えQ&A方式で解説がありました。


うまく心電図波形が取れない時には、心臓の軸に合わせて心電図の電極位置をずらす事や、Af/PAC/PVC等の不整脈については、実際に不整脈が発生した場合に心臓がどのように動いているのかを説明していただいた上、ECG編集の方法の解説があり非常にわかり易い内容でした。その他に、ステントや高度石灰化の症例時は再構成関数を変更することで描出し易くなるが、ノイズが多くなる事があるので再構成関数を変更する場合は、撮影線量も一緒に考慮する必要がある等、非常に具体的で即実践に生かせる内容でした。また、アドバイザーよりECG編集を行い最適な画像作成に対する、技師の意気込みを感じられる発言もあり、今後の心臓CTの検査への活力となるお話を聞く事ができました。


その他にも、今回はヘリカル撮影(64列および80列)がメインの内容でしたが、質問等ではAquilion ONEでのお話も聞く事ができ、心臓CTにおけるスキルアップにつなげる事ができました。関係者の皆様、ありがとうございました。今後もこのような機会を設けていただきたいと思います。


 


川崎市立多摩病院 画像診断部


平野 智之

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