イベント参加報告
2018年ユーザー会参加報告
第1回 神奈川地区キヤノンCTユーザー会 参加報告
ようやく神奈川でもキヤノンCTのユーザー会を開催する事ができました。
2018年3月17日(土)、JRCでおなじみ横浜みなとみらいにあるナビオス横浜にて、70名を超えるユーザーが集まり、盛大な会となりました。
満員御礼だったスキルアップセミナー in Kanagawaからひと月足らずの開催にも関わらず多くの参加者が集まり、CT研究会の需要の多さを実感しました。
記念すべき、第一回のプログラムです。
(一部省略)
①基礎講演 「FIRSTの基礎検証 ~FIRSTのFirst Impression~ 」
力石 耕介 先生(聖マリアンナ医科大学病院)
②画論報告会「画論in神奈川」
川田 順一 先生(西湘病院)
林 真樹 先生 (海老名総合病院)
水越 健太 先生(湘南鎌倉総合病院)
岩崎 豊 先生 (小田原循環器病院)
稲垣 直之 先生(済生会横浜市東部病院)
③特別講演 「整形マニアのAquilionの使い方~マル秘テクとDE-BBIの不顕性の骨折への挑戦~」
野水 敏行 先生 (富山労災病院)
オープニングセッションは、聖マリアンナ医科大学病院 FIRSTは従来のFBP法とは全く異なる概念の再構成技術で、そのアルゴリズムや物理データから特性を非常に分かりやすく解説したのち、物理データとリンクさせながら臨床画像を部位ごとに提示・解説してくれました。最新の再構成技術の話となると一見難しそうに感じますが、副題の~FIRSTのFirst Impression~から推察できるように非常に楽しい講演でした。
次の画論報告会では、アンサーパッドを使って会場からアンケートを取り、ベストプレゼンテーション大賞を選出しました。
画論応募症例は上位入賞を果たさないと、発表の機会がありません。毎年、神奈川からは10症例以上の応募があるそうですが、入賞しなかった症例の中にも非常に優れたものがあると聞いています。それが埋もれてしまうことが残念に感じ、画論25thに応募いただいた中から厳選して5名の先生方に講演していただきました。施設ごとに装置のスペックや環境が異なる中、撮影が難しい症例に対し様々な工夫が見られました。ちなみに、大賞は稲垣先生で、AquilionONEのDynamic-Volume Scanを用いた小児異物誤嚥の評価でした。失敗が許されない小児の撮影において、体動が大きいにも関わらず非常に診断能の高い画像を提供されていました。
そしてメーカ最新情報提供を挟んだのちに富山労災病院 野水先生による特別講演がありました。
もちろん、野水先生といえば整形CT領域の第一人者ですので、骨の再構成関数の話から最近話題のDual Energy(DE)を用いたBone Bruise Image(BBI:骨挫傷画像)による不顕性骨折の診断の可能性についても聞くことが出来ました。
DE-BBIにはまだ課題があるようですが、確立すればMRI並みの骨折診断能が得られると感じました。キヤノンCTユーザーでDEを積極的に使用している施設が少ないので、今後はキヤノンと共同でぜひDE-BBIソフトの臨床機搭載を叶えて欲しいです。
全体を通して大変盛況で、特別講演が終わる定刻の18時を大幅にオーバーしてしまいました。そのため質疑応答がわずか時間となり運営一同大変申し訳なく思っています。
次回の開催は未定ですが、ユーザーにとって臨床的意義が大きな会を今後も企画していきたいと考えています。次回も是非ご参加ください。
余談ですが、キヤノンCTはローテーション2秒よりも1.5秒の方がビュー数は多くなります。その理由は、ローテーション2秒はローテーション1秒が2回転しているから!と野水先生にお酒の席で伺いました。本日1番の驚きでした。
平塚市民病院 藤代渉