イベント参加報告

2018学会・研究会・セミナー参加報告

2018.10.09

スキルアップセミナー 参加報告

平成30年9月1日,キヤノンメディカルシステムズ首都圏支社にて「スキルアップセミナー Aquilion ONEの心臓CTの理解を深めよう!」が開催され,参加させて頂きました.

まず最新情報として「Aquilion Precision」,および新再構成技術「AiCE(Advanced Intelligent Clear IQ-Engine)」の紹介がありました.Aquilion Precisionは超高精細CTであり,本装置を使用した臨床画像を提示して頂きました.造影検査では足の末梢血管や冠動脈のプラークが従来装置では描出困難な領域までしっかり描出されており驚きました.CT画像と実際に切除された組織を見比べましたが,組織の状態が一致しており,ただただ驚くばかりでした.新再構成技術「AiCE」はAI技術のディープラーニングを用いたノイズ低減技術であり,従来の逐次近似再構成法よりも低コントラスト領域におけるノイズ低減効果が高く,低線量領域での安定した画質改善効果について紹介されました. 最新の装置,技術の説明をして頂き,今後の画像診断の重要性がさらに高まっていくと感じました.それと同時に,日々進歩する技術をよりよく使うために知識を深めていく必要があると感じました.


次に320列CT「Aquilion ONE」を用いた心臓CTについての基礎講座がありました.心電図の基礎知識から丁寧に説明して頂いて,今まで理解できていなかった部分まで知識を深めることができ,心電波形と心臓がどのように動いているかの関係性がイメージできるようになりました.心電波形がうまく取れないときのコツも教えて頂き,より良い撮影ができると感じました.また心電図同期再構成,心電図同期アプリケーション,各撮影モードについても解説して頂きました.心拍数と時間分解能の関係から撮影条件,再構成法の決定,最適心位相の抽出など理解し,利用していくことで正確なデータが取得でき,さらには被ばくもコントロールできるとわかりました.今まで心拍数が高い場合や不整脈の場合にどのように撮影すれば最適か悩んでいましたが,今後は学んだことを活かして撮影していきたいと思います.

ワンポイントアドバイスではQ&A方式で,日常の心臓CT撮影での疑問点や撮影のテクニックを紹介して頂きました.CABG後やペースメーカ患者における撮影法の解説があり,各施設がどのような工夫をしているのか聞くことができ,非常に有意義なものとなりました.

最後にZIOワークステーションを用いた画像解析講座がありました.解析に使用するツールや,解析画像をより診断価値の高いものにするテクニックを紹介していただきました.これらを有効活用し,診断や治療の際に役立てることができると思いました.

今回のセミナーを通じて装置任せで撮影し再構成をしていた部分が,理解を深められたと思います.臨床現場でさらに良い医療を提供できるよう活用していきたいです.今回は心臓CTでしたが,今後DualEnergyCTについてなどまだ理解を深められていない撮影技術があるため,セミナーを開催して頂けるよう希望いたします.


最後になりましたが,このような機会を頂き,関係者の皆様に感謝致します.ありがとうございました.




 




地方独立行政法人東金九十九里地域医療センター


東千葉メディカルセンター 放射線部


増田 直輝

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