イベント参加報告
2019年学会・研究会・セミナー参加報告
JRC2019参加報告
平成31年4月11日~14日にかけて開催されたJRC2019に参加をしてきました.今年のテーマは『革新的な放射線医学を-患者に寄り添って-』ということで,多くの発表やシンポジウムなどが行われました.特にAI(人工知能)に関連する演題が多くみられ、機械学習(Machine learning)や深層学習(Deep Learning)などを利用した様々な発表があり、AI関連で1つのセッションが組まれるほど,放射線医学の中では革新的な技術なのだとプログラムを見て痛感しました.
キヤノンでAIといえばCTの新たな再構成技術であるAiCE(Advanced intelligent Clear -IQ Engine)と呼ばれるDeep learningを用いた再構成法ですが,この有用性について多くの発表がありました.個人の印象としては低周波ノイズの改善が期待できることから,低線量=高ノイズな画像に対しての有用性が期待できると感じました.低線量で撮影しても診断可能な画像が再構成できるのであれば,被ばく低減につながり,患者に寄り添った良い検査が可能となるのではないかと感じました.当院にも超高精細CTのPrecisionが導入されており,AiCEの有用性は理解しているつもりですが,他の施設の検討を聴くと,新たな知見もあり,今後の検討への良い参考となりました.
学術発表以外にもシンポジウムでは画像検査における心構えとして各モダリティのスペシャリストによる検査に対する基本から良い検査を行うためのポイント,最新技術まで多くのことを学べることができました.CTでは検査目的をしっかりと理解したうえで、ちょっとしたポジショニングや様々な技術の取り入れ方で良い検査ができることを再確認することができ,気が引き締まりました.
またITEMのキヤノンブースは多くの人でにぎわっていました.皆様ご存知のドラマ『ラジエーションハウス』の出演者も来られたとか.AiCEのAquilion ONE対応のものなど多くの最新情報が展示されていました.その中でも私の興味を引いたのが,ワークステーションのVitreaの機能であるGlobal Illuminationです.現在3D表示といえばVRが主流ですが,フォトンマッピングという技術を使い,よりリアルな3D表示が可能となるものだそうです.写真がなくて申し訳ないのですが,骨格標本の写真?かと思うくらいリアルな表示となっていました.早く臨床で使ってみたいと思わせる技術でした.