イベント参加報告

2015学会・研究会・セミナー参加報告

2015.04.25

JRC2015 参加報告

皆様、はじめまして首都圏東芝CTユーザー会の高木です。

本会は4月27日にHPを開設し同時に会員の募集を開始いたしました。この報告書をお読みいただいている皆様、本会の趣旨にご同意頂きありがとうございます。ご入会を世話人一同、心より歓迎致します。本会は、東芝CTユーザーに向けてCT技術や検査に関する情報を発信するとともに、装置の開発や改良に関してユーザーから意見集約を行うことを目的としております。今後、メールマガジンの発信、HPのコンテンツの充実を進めてまいります。皆様とともにより良いユーザー会を作り上げていく所存です。今後、本会へのご意見やご協力をよろしくお願い致します。
今回は、世話人から4月16日から4日間、横浜で開催されました「JRC2015」の参加報告をさせて頂きます。これは、学会場でのトピックスを世話人の目線でレポートしています。業務の関係で学会に参加出来なかった方や、まだ学会に参加したことのない方に情報を提供することを目的としています。さらに学会の楽しみ方(夜の学会?)なども紹介していけたらと考えています。。
今後も、学会や研究会でのトピックスを紹介していきますのでご期待ください。

さて、ここからが本題になります。皆さんは「GuLACTIC」もしくは、「ギャラティク」・「ギャラック」をご存知ですか?これは2010年に技術学会の学術研究班がまとめたCT撮影プロトコルの標準化をめざし作成されたガイドラインの標章です。正式な名称は日本放射線技術学叢書(27)「X線CT撮影における標準化~ガイドライン GuLACTIC~」です。今回の学会では専門部会の一つである「撮影部会テーマB(CT)」で、GuLACTICの改訂がテーマとなりました。皆さんは、初版のGuLACTICをご覧になったことはありますか?臨床で役立てていますか?改訂版に期待していることはあるでしょうか?
今回の撮影部会では、改訂の概要説明、腹部領域と救急領域のプロトコルの解説、X線CT専門技師認定機構代表理事より「改訂への期待」という内容でワークショップが開催されました。概要説明では、検査部位及び疾患について、各種診療及び診断ガイドラインとの連携を重視して見直しが行われたことや、CT装置及びPACS普及状況から対象とするCT装置を16列以上、読影環境をPACSによるモニタ診断としたこと、プロトコルシートの書式変更を行ったことなどが報告されました。なかでも、今回の改訂では、被ばく線量管理に関する項目が多く追加されたことが注目点と言えます。具体的には、CT-AEC使用に関する詳細な記載、学会期間中にJ-RIMEから報告書(案)として示された我が国の診断参考レベルの記載、AppendixにCT-AECの解説、CTDI・DLPの解説、診断参考レベルの解説、今後のCT検査と線量情報の収集に関する項目などが追加されることが報告された。
腹部領域は及び救急領域については、画質設定及び造影法、撮影時相、撮影タイミングに関して、プロトコル作成のエビデンスとなった論文や撮影部会のワークショップでの検討結果を含め詳細について解説が行われた。
GuLACTICは、今年度前半に技術学会叢書として発刊を予定しており、より多く施設で活用され、CT検査の精度向上と被ばく線量の最適化がより一層進んでいくことに期待したいと考える。

・・・お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、今回の改訂班の班長は“私”です。少し宣伝も入っていますが、GuLACTICは今回の改訂でより一層精度を高めています。是非、皆様の施設でもご活用いただければと思います。よろしくお願い致します。


千葉市立海浜病院

高木 卓


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