イベント参加報告
2016年学会・研究会・セミナー参加報告
JRCの歩き方・楽しみ方
2016年4月14日(木)から17日(日)までパシフィコ横浜にてJRC2016が開催されましたので、その参加報告をさせて頂きます。
このJRCは皆さんご存知のように、放射線医学、放射線技術学、医学放射線物理学に関する一大イベントで、シンポジウムや一般演題発表など、非常に多くの情報を得ることができます。しかし、限られた期間と時間の中で、自分の興味のある演題、講演を全て聞くことは困難ですので、「地球の歩き方」ならぬ「JRCの歩き方」と題して、私なりのJRCの楽しみ方を紹介していきたと思います。若い技師の方で、「今年は参加できなかったけど来年は参加してみたい!」といった方に参考にしていただければと思います。
私のお薦めする方法は、ずばり「一般演題はCyposで閲覧する。Cyposで閲覧できない教育講演・シンポジウム、自分の興味のある一般演題は会場で聴講する」ということです。JRCには、他の学会にはないCyposという非常に素晴らしいシステムがあり、事前登録をすれば、会期中のみならず会期前・会期後も閲覧することができます。スライドの英語化はされていますが、自宅にいてもゆっくりと閲覧できます。従って一般演題はCyposで閲覧して、自分の興味のある分野・演題は、実際に会場に行って演者がどのようにプレゼンテーションをしているのか、そしてどのようなことをディスカッションしているか体験・参加してみるといいと思います。シンポジウムや教育講演に関しては、Cyposの事後閲覧が可能ですが、教育的な要素も多く含みますので優先的に会場に足を運ぶのがいいかと思います。
私の場合、今回のJRCに参加するにあたり、以下のようなプランを立てました。
① 自分の研究分野でもあるDRLに関する講演・演題を聞く
② 英語スライド・英語アブストラクトの作成、英語プレゼンテーションに関する講演を聞く
③ その他Cyposを見て興味を持ったCTの造影技術に関する一般演題(肺動静脈撮影)を聞く
④ 時間が余ったら機器展示に行き情報を収集(もちろん東芝ブースにも)
DRLに関しては、昨年の私のJRC2015の報告レポートにも書かせてもらいましたし、紙面の都合もありますので、今回は割愛させてもらいます。
今回は、英語発表の作成方法について、少し記載をさせてもらいます。皆さんご存知のように今年のJRCからは、学会の国際化推進事業の一環で発表スライドの英語化が義務付けられました。そして、海外の学会での演題発表も推進されています。私自身はまだ海外の学会での発表経験ありませんが、今後チャレンジしたいと考えており、英語発表に関する講演を聞きたいと思いました。技術活用セミナーでの南本先生の”English Presentation Boot Camp”では、英語プレゼンテーションに必要なスキル・効率的なトレーニング方法を教えて頂きました。先生の話の中で特に印象的であったのは、「なぜ英語のプレゼンテーションをするか?」という問いに対して、その理由は「Change the world」とのことでした。この”the world”の意味合いは、自分がプレゼンテーションをすることにより「医学の世界」や「自分自身の世界」を変えていくとのことでした。この言葉を聞いた時に、私は朝のセッションで眠い目をこすりながら聞いていたのですが、ハッと目が覚めた気がしました。やはり、我々日本の診療放射線技師もこれからは世界へ積極的に足を踏み出していかなくてはいけないと感じました。 学会での英語発表は、CTにおいても今後主流となってきますので、今後首都圏東芝ユーザー会においても皆様に役に立つ情報を発信することができるよう、世話人一同検討を進めていきたいと思います。ユーザーの皆様も「こんなコンテンツが欲しい」「このことを詳しく取り上げて欲しい」といったことがありましたら、遠慮なく提案していただけたらと思います。
最後になりますが、学会場を歩いていると、お腹も空きますし、足も疲れるかと思います。そんな時は、中華街や横浜の街に繰り出して、色々な人たちと交流をすることも忘れずに。
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 放射線部 川内 覚