イベント参加報告
2016年学会・研究会・セミナー参加報告
JRC2016印象記
2016年4月14日から17日の4日間、横浜にて行われたJRC2016に参加しましたので、私なりに感じたことを報告させていただきます。
本学会は国際化の方針により、本大会から発表スライドおよびCyposは全面英語化となり、教育講演も一部は英語のスライドによって行われておりました。スライドの英語化は、多くの発表者にとって大変な労力と知識、経験を必要としますが、この過程の中で、私自身のスライドは複雑すぎて分かりにくいことを痛感しました。英語化は国際化のみならず、より適切な研究テーマの選択、分かり易いスライド作成、そして有意義な発表になっていくことが期待できるため、英語も発表も苦手ですが、今後も積極的にチャレンジしていきたいと思います。
CTの研究発表では、多くの興味深いテーマで発表されていましたが、その中でsize-specific dose estimation (SSDE) に関する臨床調査研究は大変勉強になりました。SSDEはCTDIに代わる線量指標として注目されていますが、検査部位や検査方法、CT-AEC のシステム特性などに注目したこれらの研究は、従来の指標や実効線量と比較することで、その傾向や特性を評価しており、臨床導入に向けて大きな一歩になる研究内容でした。
ITEM2016では、今回はCT、ワークステーション、ネットワーク関連を見て参りましたが、特に注目したのは、検査プロトコールや被ばく線量を管理する機能でした。将来的に施設内のみならず、他施設間でも検査プロトコールや線量管理を行うことが出来る可能性があると感じました。今後はマルチモダリティのみならず、マルチベンダの環境下においても統合できる線量マネジメント機能の開発を期待します。また、東芝ブースでは新しい機能であるRISと造影剤インジェクタ連携機能の見ることができました。患者情報の中で、造影剤使用時の禁忌事項の情報をインジェクタと連携し警告等を表示するもので、より安全性の高い検査環境を実現するために重要な機能であると感じました。線量管理機能と安全機構は重要な部分であるため、今後も注目していきたいと思います。
以上、簡単ではありますが、多くの貴重な経験と知識を得ることができる本学会が、今後も発展し続けることを願いつつ、私からの報告とさせていただきます。
聖マリアンナ医科大学病院 画像センター 小川 泰良