イベント参加報告

2016学会・研究会・セミナー参加報告

2016.11.28

JCRT参加報告

岐阜県の長良川国際会議場にて、9月16日より3日間にわたり開催された第32回日本診療放射線技師学術大会に参加しました。今年も非常に多くの方が参加されていました。私からは、東芝ランチョンセミナーの様子や新しい東芝CT装置AquilionOne Genesis Editionの演題について報告します。


今回も満員御礼状態の東芝ランチョンは名古屋市立大学病院の大橋先生による『CT Lung Subtraction』と『Metal Artifact Reduction』についてのご講演でした。両技術は東芝とシーメンスで採用する手法が異なり、双方の原理や比較について拝聴させて頂きました。


『Lung Subtraction』において、東芝は非剛体位置合わせ処理と減算処理を用いて画像解析を行うのに対し、シーメンスはDual EnergyによるCT値差を利用します。


東芝の画像は、肝上縁レベルで非剛体処理が不正のごく一部の症例以外では、非常に精度よい画像が得られていました。また、簡便なワークフローと理解し易い原理も相まって、今後広く復旧していくことが考えられました。


『Metal Artifact Reduction』における両社の手法は、東芝の生データ上でのサイノグラムペインティングによって金属アーチファクトを軽減させてる『SEMAR』に対し、シーメンスはDual Energyです。(サイノグラムペインティングを利用するiMARもありますが、今回はDEとの比較でした。)両社の原理の違いから、得手不得手が存在するのですが、SEMARの精度が非常に高い事が伺えました。当院においても、臨床医からMetal Artifact Reductionの問い合わせが多く、有用性と注目度の高さを実感しています。


一般演題では、東芝最新装置であるAquilionOne Genesis Editionに関する報告が藤田保健衛生大学病院様からありました。従来機のVolume ScanのHalf再構成方法では、再構成位相を変化した際にCT値のムラが回転性に出現していました。これに対し、Genesisの新再構成法で得られた画像は心臓CTで最もムラのあった肝上縁レベルにおいてもCT値の変動が極めて少ないという結果でした。また、金属球体法によるTSPの半値幅は従来機と同等であったがカーブの形状に変化があったという報告でした。Genesis Editionは操作性の改善だけでなく、新型検出器搭載等のハード面でも大幅に改良されていて、画像の向上が大いに期待できると感じました。


 


最後に・・・


2日目の夜には『おとなのCT組合』なる夜会に参加させて頂きました。


参加人数は50名程度だったでしょうか?…もっと多かったかもしれません。非常に盛り上がり、色々と勉強になりました。学会会場では鋭い眼差しの諸先生方の、いつもと違う一面を覗ける夜会は、やはり学会参加の醍醐味のひとつですね。


平塚市民病院 藤代 渉

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